海上自衛隊の幹部自衛官が金曜カレーを無断で食べて停職処分

 自衛隊の食にまつわる停職処分がまた発生しました。

海上自衛隊第2航空群司令部(青森県八戸市)は28日、支給対象外の部下がカレーライスを食べるのを黙認した上に自身も食べ続けていたとして、八戸航空基地隊の50歳代男性幹部自衛官を停職5日の懲戒処分にした。
2022/3/29(火)読売新聞

 上記以外でも、海上自衛隊第23航空隊(京都府舞鶴市)の40代の防衛事務官の男性が、2年間にわたって毎週金曜日に、食べる資格がないのにカレーライスを食べ続けたとして停職4日の懲戒処分を受けています。

 空自の停職の件は以下をご覧ください。
航空自衛隊の3佐、食堂でパンと納豆を多めにとって停職10日

 停職はやり過ぎではという意見もありますが、喫食申請をしている人からすれば処分は当然と考えるはず。自分はわざわざ申請して、お金を払っているのに、申請もせずにお金も払わずにカレーを食べるとはけしからんと思うのも当然です。

 隊員食堂の喫食申請については、自分はその業務はやったことはないので一部想像が入りますが、一般の人が思っているよりも煩雑です。
 自販機で食券を買って渡す、みたいな手軽さはありません。
 実際に食べる日の何日前までに申請書を書いて基地(または駐屯地)業務隊のしかるべき部署に提出して……という流れです。
 今日の昼飯はおいしそうだからといって当日に喫食申請を出すことはできません。
佐世保基地業務隊の金曜カレー
 ▲参考画像。佐世保基地業務隊の隊員食堂の金曜カレーです。
護衛艦こんごうの金曜カレー
 ▲参考画像。こちらは護衛艦こんごうの金曜カレーです。

 海上自衛隊の隊員食堂では金曜日のお昼はカレーが出ます。
 これは護衛艦の食堂でも、海自の陸上施設の隊員食堂でも同じです。護衛艦のみが金曜カレーを食べているわけではないです。
 ちなみに陸上自衛隊の隊員食堂でも金曜のお昼はカレーが出るところは多いです。

 海上自衛隊には食堂がたくさんあります。護衛艦にはそれぞれ食堂があり、艦艇乗組員は護衛艦の食堂で食べます。
 艦艇乗組員ではない、海自の陸上施設に勤務する隊員のうち、営内者にあたる、基地内に住む隊員は基地業務隊の隊員食堂で朝昼晩食べることができます。
 結婚して基地外に住居がある隊員(営外者)は隊員食堂では喫食できません。幹部自衛官は自動的に営外者になるため、同じく隊員食堂では喫食はできません。
 当直や警衛などの勤務などにつく場合は、営外者でも隊員食堂で喫食可能です。
佐世保基地業務隊の隊員食堂
 ▲佐世保基地業務隊の隊員食堂。
 
 海自基地の陸上施設にある隊員食堂は、喫食人数が少ないです(食堂も狭いです)。そのため、申請していない隊員や事務官が喫食すると、食材が足らなくなることが予想されます。
 カレーなら余りそうなものですが、付け合わせの牛乳、揚げ物、ゆで卵などは足らなくなることがあるかもしれません。

 食堂の入り口にはカウンター(数取り器)が部隊ごとに置かれていて、食べる人はそのカウンターを押します。糧食班はそれで部隊ごとの喫食人数を知ることができます。カウンターを押さないで食べることもまあ可能ではありますが。

 海上自衛隊のカレーについては以下のエントリーをご覧ください。
海上自衛隊のカレーは美味しい

 海自の隊員食堂の給養員のかたに話をきいたことはありますが「食材は余ることはない」とのことでした。
 それはやはり喫食人員が少ないからだろうと思います。

 補足として、事務官と自衛官の違いですが、どちらも自衛隊員ではありますが、事務官は文官で、自衛官は武官になります。給与体系も異なります。
 自衛官は、事務官を同じ自衛官とは思っておらず(事務官だから当然ではあるけど)、事務官もそれは同じだと思います。
 事務官は、自衛官ではないので、通常は戦闘の訓練などは行わないです(事務官採用後の教育では、1ヶ月ほど駐屯地に寝泊まりして、基本教練や行軍などの訓練を行うそうです)。

 喫食申請をして実費(400~500円ぐらい)を払えば何も問題なかったのにそれを怠った結果の停職処分なので仕方がないかなと思います。

 自衛隊の食事に関するエントリーは以下をご覧ください。
自衛隊の朝ご飯いろいろ
自衛隊の隊員食堂っておかわりできる?
陸上自衛隊のお昼ご飯はこんなメニュー(目達原駐屯地)
航空自衛隊のご飯、1日の食事メニュー|九州の芦屋基地
海上自衛隊のご飯、1日の食事メニュー|佐世保基地業務隊
海上自衛隊の隊員食堂における朝昼晩の食事メニュー|呉基地業務隊
護衛艦こんごうの科員食堂で食べたカツ丼(カツ皿?)

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